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2020.10.13.Tue

楽しみながら仕事をしていくコツは?/ 第10回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告

2020年10月7日水曜朝9時からの第10回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting。
67名ほどの方にご参加いただきました。

仕事と遊びの境界線をなくす働き方とは?

この日の「働き方の新しい波」は、「仕事と遊びの境界線をなくす働き方~大川印刷のSDGsな取り組み」をテーマに、大川印刷CEOの大川哲郎さんにお話いただきました。大川さんは地元の横浜市磯子区の公園から参加されました。

大川哲郎さんの大川印刷は、1881年創業です。
https://www.ohkawa-inc.co.jp/

歴史ある横浜の企業として、横浜・日本の印刷の歴史・文化を内外に発信、伝えていくことに取り組まれています。2004年に自社の存在意義(Purpose)を
社会にいいことをやっていく会社として、Social printing company(社会的印刷会社)と位置づけられました。CO2ゼロ印刷に取り組まれています。
そういった姿勢が評価され、第2回ジャパンSDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」も受賞されています。

大川さんの好きな言葉は、「先義後利」という荀子の言葉です。義を先にし、利を後にするものは栄えるという意味ですが、これ自体がCSR、SDGs、人生そのものであると、大川さんは考えています。

大川さん、そして大川印刷では、仕事を通じて一つでも多くの「しあわせ」を創出することに注力しています。
横浜のシウマイで有名な崎陽軒の定番となっているシウマイ弁当の黄色い包装紙は、大川印刷で印刷しているものだとか。夏目漱石の『吾輩は猫である』に登場する胃腸薬「タカジアスターゼ」のラベルの印刷も、大川印刷でしていたそうです。

大川さんの人生における転機は、18歳の時に医療事故によってお父様を亡くしたこと。その後人種差別の激しいアメリカ南部に行った時、差別に苦しんでいるはずの黒人が大川さんにとてもよくしてくれた。そういった人達から「生きる力」をもらって、仕事に力をいれていくようになったとのこと。

仕事と遊びの境界線をなくす「仕事の道楽化」プロセス

仕事と遊びの境界線をなくす「仕事の道楽化」プロセスとして、大川印刷では、次の5つのことを心掛けています。

1.「運命」と与えられた「使命」を見つけ出す、気づく
2.与えられた「自分の能力・強み」を見つけ出す、気づく
3.やりたいことと仕事(とSDGs)の接点を見つけ出す
4.仲間を見つける、増やす
5.「PDCA」ではなく、「AAR」(見通し、行動、振り返り)
Anticipation-Action-Reflection

「SDGs経営計画」とは

一人ひとりの「やりたいこと」と「仕事」をつなげるのが、「SDGs経営計画」です。従業員全員参加のワークショップをしています。ボトムアップ型で進めており、従業員それぞれの参画意識の高い活動になっています。ワークショップは1回90分で、ゴールデンクエスチョンとして、4つの事柄について徹底的に話し合っていきます。

ゴールデンクエスチョン
・うまくいっていることは何か?
・うまくいっていないことは何か?
・やってみたいことは何か?
・その障害となっていることはなにか?

ゴールデンクエスチョンを考えていく中で、職場や自分の人生のステージにおける課題感、自分のやりたいことの障害となっていることは何かに気づいていくのです。ワークショップの際には、SDGsのアイコンを付けたメモ帳を使用していることも、従業員のSDGsの意識付けに役立っていると感じています。

社員主導で大きなプロジェクトが進行

大川印刷の「SDGs経営計画」の取り組みの中で、一番大きいのは従業員の成長です。代表的なのは、パートタイマーから正社員になったメンバーが2か月後にSDGsプロジェクトチームリーダーに志願して、その後の様々なプロジェクトを進めてくれていることがあげられます。2030年、2050年が生きづらい社会であってはならないという思いが原動力になっています。

実際にみんなの「やってみよう!SDGs宣言」という企画で、従業員全員のチャレンジを可視化・共有しました。また、2019年4月24日には一般公募して140名の市民や企業、NPO、そして政府関係者らが集まったSDGs報告会を開催しました。

2019年4月22日には、再エネ100パーセントを達成しました。こちらは、先ほどのワークショップから生まれた取り組みで、
工場の屋上に初期投資無料の太陽光パネルを設置して20パーセントの電力、川崎バイオマス発電所(後に2019年9月より青森県横浜町の風力発電)で、80パーセントの電力を生み出すことにより達成しました。

アル・ゴア氏のセミナーの印刷物をサポート

2019年10月には、元アメリカ副大統領アル・ゴア氏が来日して、気候危機に関するセミナーをした際の印刷物を大川印刷で受注しました。

エシカル就活とは

エシカル就活とは、社会課題解決に献身的に取り組む企業と社会課題解決を軸にキャリア選択をする学生による新しい就活のことをいいます。SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」を実現することにもつながります。

最近の学生の会社選びの基準として、社会課題への活動を就職後も続けられるかということ・社会貢献度や仕事内容を重視する学生が増え、給与への期待度は上位に入っていません。

仕事と遊びの境界線をなくすという観点から、社員の勤務時間中に世界気候アクションのパレードに参加するなどの活動に参加できるようにしています。

出版でチャレンジしてみたいことは

関編集長からは、日本の出版物がやれるのにやっていないこと、大川さんのところでチャレンジしたいことは何ですか、という質問が大川さんに投げかけられました。
大川さんからは、次のようなお答えがありました。
商習慣をなかなか崩せないという事情があります。
出版には出版のフォーメーションがあって、印刷業側からそこを崩していくことは簡単なことではありません。
しかしながら実際に、印刷会社を指定して印刷したいという形で、依頼されるケースもある。
この場合は著者の「こういう印刷をしたい」という意向によるものです。
たとえば「CO2ゼロ印刷」「再エネ100%」で印刷したいといった感じです。

新入社員(パダワン)の視点

Z世代であり、アル・ゴア氏のセミナーにも参加され、今年大川印刷に入社された宮崎紗矢香さん。4月に入社し、やりたいことをやらせてもらえていると実感しているとのこと。就活の時に熱心に話をきいてくれたのは、大川社長だけだったとのことで、大川社長と出会ったのが運命だと感じているそう。
就活については、昨年2月にスウェーデンにSDGs視察ツアーに行き、3月に戻ってきてSDGsにしっかり取り組んでいる企業に就職しようと決めて活動していましたと、宮崎さん。学生の時からSDGsに強い関心をもって活動してきた宮崎さんからみて、日本ではSDGsに問題意識をもって実際に動ける人は、思っているよりも少ないと実感しているそうです。

遊んでいるように仕事をすることで世界平和を

遊んでいるように仕事を楽しみ、遊んでいるのに常に仕事のヒントを探している。そのほうが楽なんです、と大川さん。
部門により違うこともありますが、それを工夫するのが経営者だと思っています。すべての企業が平和を創造する企業になってほしい。大川印刷も世界平和を創造する企業であり続けたいと思っていますという、熱いメッセージでお話を締めくくっていただきました。

大川印刷での積極的な取り組みに刺激をうけ、共感させられたプレゼンでした。

「ちょこっと先の暮らし方研究所」とは

今回はお悩み解決のヒントになりそうな、体験プログラムのご紹介です。
ポケットマルシェとNTTデータ経営研究所のコラボで行う、「ちょこっと先の暮らし方研究所」です。

ヒゲの折れた伊勢海老を手ごろな値段で買えたりする産直アプリが
ポケットマルシェ。
https://poke-m.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=ca_brand&utm_term=%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7_e&utm_content=462274923830&gclid=CjwKCAjw_Y_8BRBiEiwA5MCBJuuEoS2l5g5DYSlO09PbdTEoomZJxXWuogPR7n0sA7Vb1u3FA5AtGRoClToQAvD_BwE

丸山さんによると、ポケットマルシェは生産者数が全国で3300名。ユーザー23万人。農家の嬉しい声や困ったという声を直接消費者に届ける形で日本を変えたいという想いで取り組んでいます。

今回はポケットマルシェとNTTデータ経営研究所のコラボで、農林水産省のプログラムとして行う、ちょこっと先の暮らし方研究所について紹介します。
https://poke-m.com/lp/chokotto

今回は、
能登半島
房総
つくば
で、これから先の生き方を考えていこうというプログラムです。
現地で10日間の研修が難しいということで、オンラインと組み合わせた固いでやることになりました。

石川さんからも、「現場を見るということで有意義なので、ぜひ検討してください」とのお話がありました。
現場を見るということで有意義なので、ぜひ検討してください、石川さん

関編集長の編集後記

今回は公園からスピーカーがお話くださっていて、公園がキーワードといえそうです。今日伺った、公園、職業道楽という話から、仕事が平和をつくるためにあるというところから思い出したのが、黒澤明監督の『生きる』という映画です。1950年代の映画で、志村喬の主演です。志村演じる主人公は、さえない仕事をしていて、ガンになったことを知る。余命5か月。周囲から反対されていた公園を、やくざの嫌がらせなどと戦ったりしながらも創った。自分でつくった公園のブランコに揺られながら、「ゴンドラの唄」を口ずさみながら亡くなっていく。これは幸せな亡くなり方で、大好きなシーンです。

大川さんは自分のブランコをつくっている気がしています。僕もここにいる皆さんも、仕事でやりながらも楽しいし、人のためになっていることを創る。その人なりのブランコを創っていけたらいいなと思いました。

今回のお話から、公園のブランコのお話にもっていく関さん。今回も圧巻の編集後記でした。

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明日10月14日(水)朝9時からの「働き方の新しい波」は、「大分の国東時間の働き方」について、松岡勇樹さんにお話いただきます。

後半のコーナーは、参加者皆さんのお悩みの相談をうかがえればと思います。悩みはその人だけのものではなく、みんなのヒントにもなるからです。

お申込みまだの方はこちらから
https://peatix.com/event/1591359

FRaU WFH*(うふふ*) Meetingは、毎週水曜日朝9時から10時。お時間取れるタイミングで、ぜひご参加ください!

文:宮崎恵美子

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第0回(2020年7月29日レポート):WFH*については、こちらでご覧ください。
https://note.com/teamwaa/n/n22a021812f1d

WFH*の読み方は「うふふ」 / 第2回FRaU WFH* Meeting開催報告(2020年8月12日レポート)
https://note.com/teamwaa/n/n18a7a94ee6fc

政策につながる組織のミッションとして行えたからこそ、環境省の「選択と集中」プロジェクトは成功した / 第3回FRaU WFH* Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n1b74d08d63dc

ロンドンで、日本の「働き方」がすべてではないと気づいた / 第4回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n72e227a57b21

ワーケーションで、人や自然に感謝し、幸せを感じられるようになろう! / 第5回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n0bf44fc20fda

“はたらく”に歓びを 誇りを持てる仕事をしていこう ! / 第6回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n54aeaf037d4f

自分の得意なこと・やりたいことでキャリアを築くには / 第7回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n4529ab67eb37

真のダイバーシティにつながる働き方とは? / 第8回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n49a14e4cef62

2拠点生活から見えてきた大切なこととは? / 第9回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n1e9bdedba70e