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2019.09.30.Mon

ワーケーションのすすめ “仕事は満員電車に乗らなくてもできる” – Team WAA!イベントレポート

7月20日、Team WAA!の31回目のセッションとして、普段のセッションを拡大した終日イベントとして開催されたWAAフェス!。6つの講演セッションを開催しましたが、今回はWAAでWAAっとWAAケーション!- MMSの企て- についてレポートします。

ワーケーションの推進者達からワーケーションを学ぶ

島田さんが所属する企業のユニリーバ、そして島田さんの主宰するコミュニティのTeam WAA!で推進しているWAA(Work from Anywhere and Anytime、ワー)は、満員電車で通勤することなく、働く場所や時間を社員が自由に選ぶことができる働き方です。WAAはその時、最善で最高のことを自分で決めて動くというマインドセットでもあると思っていますと島田さん。このマインドセットを体現し、いろいろなところで連携してワーケーションを広めている森和成さん・箕浦龍一さんにはぜひお話いただきたく、ゲストとしてお越しいただきましたと島田さんが森さん・箕浦さんのご紹介をされて、セッションがスタートしました。

WAAフェス!の2日前に森さん・箕浦さん・島田さんらが立ち上げに関わって、ワーケーションやテレワークをコアに地域を活性化する全国自治体連合のイベントが開催されていました。そのイベントで司会をされた橋本怜子(さとこ)さん(鎌倉市役所行政経営課長)や鎌倉にワークプレイスをつくられている岩濱サラさんも加わって、トークが展開されました。

仕事に拠点は必要か

「普段どちらで仕事をされていますか」と箕浦さんが客席の方に質問しました。
こう質問されると、仕事をしている場所をイメージする人が多いです。しかし、たとえ東京都千代田区にいても、デバイスの中で仕事をしているのが実際です。
3次元だった昭和の時代とは異なり、今のワークプレイスは4次元化していて、時間と場所に制約されないで、どこでも仕事ができるのです。国と地方のあり方がかわってきます。
昭和の時代は何かをするときに本拠地が必要でしたが、箕浦さんの所属する総務省でも進めているICT(情報通信技術)の革命により起きたのは、拠点性の喪失です。
何かをしようとするときには拠点は必要ないのかもしれないです。
地域活性化を考える場合にも、企業の誘致・地元に雇用をつくらないという発想になりがちですが、ICTでこれだけ変わった今、雇用とその雇用のための働く場所は別になってきています。こういう流れでのライフスタイルやワークプレイスは可能性に満ちあふれていると思っています、と箕浦さんはおっしゃいました。

ワーケーションとは何か

ワーケーションとは、ワーク×バケーションの掛け合わせです、と森さんはは説明されました。
朝メールをチェックして、家族で朝食・昼食。子供は森で冒険。親たちはデスクワークやウェブミーティングをします。夕飯はバーベキュー。疲れた子どもたちは早く眠り、親たちは火を囲みながら話します。
これがワーケーションの一例です。

長時間かけて通勤しなくてもできる働き方を

通勤時間に長時間かけるのは、時間の無駄遣いだと森さんは言います。
日本企業では、周りのことが気になって有給休暇もとりにくいと感じる人も少なくないですが、ワーケーションという形で有給休暇の取得促進もしやすくなります。
働き方改革は働き方の見直しという側面もあるので、ワーケーションというワークスタイルを広げていけたらと森さんは考えているそうです。

橋本さんも森さん同様、1日2時間の通勤時間に疑問を呈しました。昨年総務省から鎌倉市役所に来て、鎌倉では東京では見れなかった空や緑を見ながら通勤できるようになったことに気づいたとのこと。ワーケーションももちろん、毎日の通勤で心の豊かさを感じられるように過ごせたらいいのではないかと橋本さんは話しました。

楽しく仕事するための場所づくりをしている理由は

岩濱さんは、鎌倉にThink Space
http://thinkspace.jp/
という、すてきなコワーキングスペースをつくられています。最近はお坊さんが利用されたりもするのだとか。
岩濱さんのThink Spaceをユニリーバのチームミーティングで使わせてもらいましたが、普段同じことをオフィスでしている時と比較して、アウトプットが全然違いましたと島田さんは話します。せせらぎや小鳥の声が聞こえ、窓から部屋に心地よい風が入ってきます。アイデアの出る数が違いましたし、チームメンバーからは「楽しかった。リラックスできた。」と言われたそうです。

苦しんで何かを犠牲にしてやって得られることより、ワクワクしながら楽しく仕事しながら得られることの方が大きければ、その方が幸せ。どうせ仕事をするなら、楽しくワクワクやりたい。そんな想いから、岩濱さんはThink Spaceを立ち上げたとのこと。

ワーケーションでPERMAを実現できる

Well-being(継続的幸福)の状態になるため、PERMAという5つの要素がありますと島田さん。
PERMAを高く感じている人は、継続的幸福度が高くなっています。健康で長寿。パフォーマンスも高く、収入も高い。ワーケーションはこれを高める要素に満ち溢れていると考えています。
PERMAは次の5つの要素の頭文字をとったものです。
1. Positiveな感情
2. Engagement 無我夢中で没頭できること(フロー状態)
3. Relationship 人間関係
4. Meaning 人生の目的や意義
5. Accomplishment 達成。熟練。
2025年までに日本の人口の25パーセントの人がPERMAが高まっている状態になっているようにと思いながら活動しています、と島田さんは話されました。

価値観の変化が森さんの働き方を変えた

かつては目の前のタスクばかり考えていたと森さんは言います。
体育会系だったこともあって、目的・パーパス不在で、目標管理に徹底していました。
自分で抱え込んで、指示するタイプでした。
しかし、これだと自分の能力の限界がパフォーマンスの限界になってしまい、年上の部下からも不平不満が多かったのです。そんな中で、人の力を借りるのも自分の力だというところに行きついたところから、自分の世界観が変わりました。
今は、目的や想い、志ときちんと向き合うことが大切で、これがリーダーシップの源泉にもなると考えています。

箕浦さんのワークスタイルは、入省時から同じ

ワーケーション・テレワークにテコ入れし始めたのは4,5年前です。
もともと就職したころから残業が多い中、自分が働きやすくなるように変えられることは変えられるようにしていて、長期休暇前の休暇取得予定表をつくったりもしていました。
根底に楽しくないと嫌だという気持ちがあるのです、と箕浦さん。

ワーケーションの先に目指すもの

ワーケーションという言葉が特別でない時代が来るといいなと思いますと橋本さん。
一人ひとりの意識が変わってくることが大切です。自分で気がついて変わらない限り人は変わらないので、自分もやってみようと思ってほしいです。
身近な人の突然の死をきっかけに、やりたいことをやろう。ワクワクしていなきゃ意味がないと思うようになり、自分でも自分を大事にできるようになりました。
鎌倉の土地のもつパワーや鎌倉に集まってきている面白い人のパワーも大きいので、ぜひ鎌倉に来てみてください。鎌倉でのテレワークに興味がある方は、鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会にご参加ください。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/telework/index.html?fbclid=IwAR3wrwF-mklpfMpS6HYi3db-yY8Bo_tx_1EsD4SIQdnK4Kkh_VF3TmOitx8

お金のために働くとか、会社の利益を守るとかはいったん手放して、ワーケーションをきっかけに、どう生きるかを考えてみる。みんなが人を思いやり、ハッピーになろうという世界がワーケーションの先にあるのではないかと期待していますと岩濱さん。

「忙しい」という言葉をなくしたいですと森さん。「心を亡くす」と書きますよね。自分の想いが自分らしさだったりするので、そこを大切にできる世の中にしていきたいです。

働く人一人ひとりが自由に、それぞれの人の良さが実現できることに貢献していきたい。今の日本が元気がなくなる方向に進んでいるのを修正したいですと箕浦さん。

箕浦さんからは、小規模な自治体との1週間との交換留学についてのご紹介がありました。ある自治体とのご縁で始めたもので、小さな自治体から1週間総務省に出張に来てもらい、箕浦さんのビジネスの仕方を見て、箕浦さんからみっちり教え込んでいただけるとのこと。交換で総務省の若手を1週間自治体に預かっていただく形で、去年からすでに2回の実績があるそうです。ご希望の小規模自治体の方、箕浦さんにお願いしてみてはいかがでしょうか。

そして最後にモデレーターの島田さんが次のように話して、このセッションが締めくくられました。
ワーケーションは鎌倉や森さんの軽井沢や白馬、
https://www.rising-field.com/
ユニリーバの地域 de WAA
https://bit.ly/2ky6w5i
でもできますし、それ以外にもできるところがありますので、ぜひ実際に体験してみてください。

今日の参加者にお配りしているエコバッグに、私が伝えたいメッセージを入れて、男性も持ち歩けるようにこの大きさにしました。こちらのバッグをぜひ使っていただき、このメッセージが多くの人に広がっていったらいいなと思っています。

Work in Life
Live YOUR Life
Be Happy!

イベントリンク
https://waa-fes.peatix.com/

登壇者プロフィール

森 和成(もり かずなり)大学卒業後、国内独立系のコンサルティングファームにて、組織開発・人材育成を主領域としたコンサルティングセールス部門の営業責任者を歴任。
その後、アクセンチュア株式会社にて、経営コンサルティングに従事。2003年、同社、ディレクターに就任。
2005年、株式会社アールギア・グループ設立。
2013年、株式会社ライジング・フィールド設立。現在代表取締役。その他複数の事業会社を経営。

箕浦 龍一(みのうら りゅういち)
国家公務員(総務省勤務)
自らの職場でワークプレイス改革やワークスタイル変革、若手の人財育成に取り組む 一方、本職以外でも、軽井沢リゾート・テレワークのプロジェクトなど、Local Remote Work(ロコワーク)の推進に尽力。 
前職(行政管理局)時代に取り組んだオフィス改革を中心とする働き方改革の取組 は、人事院総裁賞を受賞(両陛下に拝謁)。
中央省庁初の、自治体との短期交換留学 (奈良県川上村)も実現。 
2019年5月からは、食を通じて健康と医療を考える「フードメディシンネットワーク」のプロジェクトにも参画。
2008年に立ち上げた「カレー部」は、先般、インド大使館参事官との昼食会も実現。
大使館の公式FBに「#CurryDiplomacy」のハッシュタグ付で紹介。
2017年の日本行政学会では、「機動力の高いナポレオン型上司」として 紹介される。

島田 由香(しまだ ゆか)
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長。
2016年7月1日にユニリーバでスタートしたWAA(Work from Anywhere and Anytime)の発起人。 
満員電車で通勤することなく、働く場所や時間を社員が自由に選べるWAAの反響の大きさから、WAAのビジョンへの共感者が参加できるコミュニティとしてTeam WAA!を主宰。
2017年1月から毎月セッションを行い、2019年1月の大阪開催分も含めて、これまで開催された全セッションに参加。
2019年7月20日は31回目のセッション。
自然が大好き。Team WAA!のスピリットをメンバー一人ひとりが伝えることを「タンポポ作戦」と命名しているが、自身は野原の草花とは無縁の、東京生まれの東京育ち。 いろんな地域での働き方を模索し、地域創生に注力。地域創生で行った山林で、多くの人が子供の頃に見慣れているエノコログサのふさふさの緑の穂を、生まれて初めて見てさわって感激したというエピソードをもつ。
多忙なスケジュールをこなす中、大好きなキングダムを読むきっかけをくれた高校生の息子さんら、ご家族と過ごす時間も大切にしている。

文:宮崎恵美子 写真:土井鉄庸、荒谷健道

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▼2019年度 Team WAA!マンスリーセッション日程

*やむを得ず、日程の変更を行う場合もございます。
*8月開催なし。7月にスペシャルイベント。
1月18日 金(初の大阪開催!)
2月18日 月
3月15日 金
4月18日 木
5月15日 水
6月17日 月
7月20日 土:WAA フェス!
9月18日 水
10月15日 火
11月15日 金
12月11日 水:eumo ×Team WAA!
12月18日 水
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